よくあるご質問

鉄のメッキに亜鉛がよく使われるのはなぜ?

例えば、鉄に亜鉛メッキしたものを水につけると、亜鉛は鉄より溶けやすい性質を持っているため、鉄の代わりとなって水中に溶け出します。ただし、溶け出すスピードはゆっくりですので、少ない量でも長期間にわたって、覆っている鉄を守ることができます。また、他の金属に比べ、融け出す温度(融点)が低いため(例えばアルミニウムでは660℃に対して、亜鉛は419℃)、より少ないエネルギー(低コスト)でメッキをすることができます。これらの優れた長所により、鉄をサビから守るためのメッキに亜鉛が使われているのです。

図面にSS41とSS400が両方でてくることがあるけど、これって違う規格なの?

SS41もSS400も基本的に同じ規格を表します。SS41は旧規格の記号で、SS400は新規格の記号となります。図面に両方が併記されているのは、途中で規格が変わったため、SS400を追記する形がとられることが多かったためです。 さて、記号の変更ですが、力(フォース)を表す記号の単位が、kg・f から N(ニュートン)に変わったことによって生じました。SS41はつまり、41kg・f/m㎡ であり、400N/m㎡ に相当します。kg・fが使用されなくなったため、kgはあくまで重量の単位となり、1kgの物体のフォースは、9.8m/s2(重力加速度)を掛けて、4.1×9.8≒400 (401.8)となり、SS41とSS400は基本的に同じ規格と言えます。

SS400ってどんな材料なの?

規格では、不純物であるP(リン)、S(硫黄)のみの制限がされています。
また、

引張り強さ 400~510N/m㎡
降伏点 245N/m㎡ 以上
伸び 17%以上

という規定がされています。
上記の『引張り強さ』とは、具体的には『SS400の1mm角の線材で、重さ40kgまでは吊るすことができますが、それ以上で破断する。』ということです。

高炉材とか、電炉材っていうけど、どんな違いがあるの?

高炉は規模が比較的大型で、主に鉄鉱石を原料として鉄を製造します。燃料として使用されるのはコークスです。それに比べて電炉は小型で、電極(電気)を使って鉄スクラップを溶解して、鉄を製造します。その用途は、高炉は主に高級鋼である自動車向け(高張力鋼)の素材として使用され、電炉材は一般的に雑材と言われる形鋼の素材として使用されることが多くなっています。ただし、最近では電炉の技術も向上し、板材に力を入れている電炉メーカーもあります。

また、高炉材と電炉材は、それぞれの母材(原料)の価格の変動により、値動きに差が出てきます。スクラップ高になると、電炉材が値上がりし、鉄鋼石・コークスが高くなると(これらは輸入に頼っているため為替レートも関係します。)、高炉材が値上がりする傾向があります。